演奏法

指使いはピボットターンになっている

By 投稿日時: 2017年12月4日

ツェルニーなどのスケールを多く弾く曲のときに40番の5Molto allegroが良い例ですが指使いがなかなか覚えにくかったりします。
私はバスケットボールのピボットターンを連想して弾いてみると意外とすんなり覚えられることがあります。

ピボットとは軸のことです。スケールで指が足りなくなったりするのは、軸の回転位置を間違えているからなのです。

前回お話した近親調の転調のときにどちらの調に軸が乗っているのか読み取ってみると、複雑に見えた指使いが曇天から晴れ間が広がるようにはっきりと分かってきます。

クラシック曲の転調は近親調が殆どですから、このピボットターンの弾き方を覚えてしまうと戸惑うことなくスケールが弾けるようになりますよ。

是非、お試しになってください

演奏法とは関係ありませんが、言語学者の大西泰斗先生の著書の中にも、このピボットターンは出てきます。こちらも面白いですよ。ピボットターンが知覚構文や使役構文で役立っています。

恐るべしバスケの技ですねっΣ(゚д゚lll)

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演奏法

近親調とCycie of 5th

By 投稿日時: 2017年11月30日

今年の3月16日の「ツールを駆使する」で少し触れたのですが、演奏や暗譜のとき輝ける必須アイテムとも呼ぶべきものが楽典やJAZZ THEORY WORKSHOPに載っている調の相互関係です。

近現代前のクラシック曲の転調は整然としているものが多く楽典の112ページにある譜例27の図や同主調、平行調,属調,下属調などの近親調を理解したならば、わけのわからないクロスワードパズルが解けたような状況になりますよヽ(*´∀`)ノ

これと非常によく似たものがJAZZ理論で学ぶⅡー7 Ⅴ7全調のサークルオブフィフスです。

因みに私は武蔵野音楽院出版のJAZZ理論講座初級編の57ページにある図をよく使います。

このとき、スケールの何番目の音が共通でまた違っているのかに着目すると益々わかった感が増えますよ(*´∀`*)

間違いないですから、ぜひ試してみてくださいね!!

最後に今年で2回めの開催になりましたお教室のハロウィンパレードに参加、ご協力くださいました生徒さんと親御さんの方々に御礼申し上げます( ᵕ̤ ‧̫̮ ᵕ̤ )
ありがとうございました。

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演奏法

聴きてに贈る

By 投稿日時: 2017年11月9日

音楽を聴いたとき、今日は良かったと感想を持つ場合とは、聴いたことによって何かを与えられたと満足感を覚えたときではなかったかと思いますが、どうでしょうか?

例えば、その会場に50人の聴衆がいたとしたら、50様式の感想が生まれるのだから、これは演奏する方と聴く方の双方で創る作品であるとも言えます。

会話をするときに相手のことを目まぐるしく考えながら言葉を選んで話し合ったりしますが、演奏の場では一方通行になります。

これを乗り切るには結構な説得力と各々に届くような普遍性も、それから演奏側が一番語りたいのは何かをはっきりとすることも、何しろ盛りだくさんの中身を音にこめるわけです。

さまざまな状態の聴きてに失望することなく帰ってもらうためには、相当なエネルギーを日頃からアウトプットできる練習を積むことが必要になります。

ただ、これを~ねばならないと自分に言い聞かせてしまうとそれは練習の遠回りになっていくような気が私はします。

義務感からいい音は生まれないからです。

弾き手が聴いてくださる側に対して贈り物を届ける過程であると思考を変えてみるとワクワクしませんか?

いつの時代のどこの場所で作られた曲にしようとか、買い物ならお店選びに似ていますしね。

買い物と演奏では違いすぎると考えられるならば、ほかの得意であったり大好きなことをコンサートやコンクールになぞらえて自分なりのストーリーを想像してみると意外と辛かった練習も変化していきますよ(*´∀`*)

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演奏法

瞬間を細分化する

By 投稿日時: 2017年10月25日

新曲の譜読みでクラクラするような感覚になる楽譜を実際に弾くときに有効なことってなんでしょうか?

諦めない?自分を信じる?ひとつひとつ丁寧にとりかかる?

どれも模範解答のようですが、どれもストレスフルでピアノが嫌いになりそうです。

突拍子もないお話ですが、私は20代のころ、交通事故を起こして買ったばかりの新車を全損したことがありました。

その時に、正確にはその瞬間に車内の私はコマ送りでゆっくりと交差点のブロック塀に突っ込んでいったのです。

それまでの時間の観念が覆った瞬間でもありました。

事故の際に私自身が時間を相対的に変化させることをしていたわけです。

それは例えれば1という数が永遠に分割できる感覚と似ています。

ピアノは88鍵 指は左右10本 それに偉大な作曲家の魔法が加われば途方もない音の継投が続いていきます。

くじけないためには、奏者のキャパを広げる必要がありますがそのときに高音から低音までの帯をどこまでも奏者の納得のいくまで細分化して捉えていくと何のつまづきもなくすっと先に進むことができるようになります。

言葉に表すのは難しいですね

ともかくあれっと迷った時の音はスローモーションにしてゆっくりと消化すると覚えやすいということなんですが、わかっていただけたでしょうか????

不安だぁ~・・・・

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お知らせ

ベネズエラのロステケスにあるエルシステマ

By 投稿日時: 2017年9月30日

今朝の読売新聞に心動かされる記事が載っていたので、ご紹介します。
1975年ベネズエラの音楽家で経済学者のホセ・アントニオアブレウ博士が始めた音楽制度は貧しい子供たちに無償で音楽を学ぶ場を提供し、犯罪や貧困から救うエルシステマという国家事業です。
現在、シモン・ボリバル音楽財団がベネズエラ全土で音楽学校と楽団を運営し、楽器の修理工場もあるそうです。
ベネズエラ青少年オーケストラ(12歳~18歳の団員約160名)は国内屈指の青少年管弦楽団に成長し、財団の音楽学校は全土に440校、82万6000人がクラシック音楽を学び、各地に楽団を組織して生徒が演奏を披露する機会があるそうです。
アメリカ名門のロサンゼルスフィルの音楽監督グスターボ・ドゥ・ダメルさんはじめ世界的な指揮者や演奏家を輩出しています。
財団幹部のエドアルド・メンデスさん曰く
「将来に希望が持てない子供も音楽で認められると自分の価値に気づき、誇りを取り戻す事ができる」
エルシステマは規律や協調性を育むとして国際的にも評価され欧米アジアなど60以上の国や地域に普及し、福島や岩手の被災地で、子供の「心の復興」のために導入されてもいるそうです。
プログラム担当ディレクターのアンドレス・アスカニオさんは
「音楽の道に進まなくても困難にめげずチャレンジする精神は社会に出てからもきっと役に立つ」
と語っているそうです。
こういう活動を花開かせ大輪の花に育てていくことが人として大切な生き方ではないかと強く想ったので、紹介させていただきました。

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演奏法

オフェンス&ディフェンスの根音

By 投稿日時: 2017年9月20日

わたくしごとですが、今、進行形の曲がショパンのOP.64 No.2のワルツとビリーホリデイの歌が最高なAll the wayなのですが、どちらも半音進行のルート音にゾクゾクしながら練習してしまいます。

ワルツのPiu’ lentoのスラーで結ばれた左手のラインは夢見るように続いていてうっとりしてしまいますし、シナトラの歌でもよく知られるALL THE WAYのリアルブックに記された分数コードは説得力あるベースラインが歌に深さを加えているように感じます。

どちらも美しく洗練されたメロディに重なった根音の描く流線に癒されたり勇気づけられたりするのです。

アナリーゼしなくても ただ弾く 聴くだけで心が浮き立つ曲を生活の必需品にすることを是非お薦めしたいです。

もう、そういう曲を持ってる人が殆どかもしれませんね。

自分の心の動きに寄り添ってオフェンスやディフェンスにまわってくれるようなメロディのある贅沢をしてください。

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リサイタル ライブ情報

サロンコンサート

By 投稿日時: 2017年9月1日

今週末の9月3日日曜の午後、吉見先生お薦めのピアノ連弾コンサートが名曲喫茶カデンツァで開かれます。
興味をそそられるのがピアノ協奏曲でお馴染みのガーシュインのラプソディーインブルーを2台のピアノで演奏するというものです。
奏者は杉山真衣子氏と坂本知穂氏のお二人です。
吉見先生のお友達なのかもしれないです。

次の週の日曜の午後にサロンコンサートでショパンのワルツを弾く予定なので、自分の練習でかなりいっぱいいっぱいですが、聴きに行きたいなぁと思っています。

先週末は懐かしいメンバーのライブを聴きにいってまいりました♦♫♦・*:..。♦♫♦*
みゆきちゃんことas守谷美由紀 いしだくんことp石田衛 b須川崇志 ds今泉総之輔メンバーによるquartet♪゜・*:.。. .。.:*・♪

ゲストにみゆきちゃんのご主人の本田珠也さんと前にイントロで演奏を聴かせて頂いてぶっ翔んだほど素敵なケイ赤城さんが飛び入り参加してくださってすごい最高のライブでした

最後に9月10日荻窪のカワイ音楽センター内でサロンコンサートが開かれます。
クラシックから歌謡曲まで幅広い歌とピアノの演奏を楽しめますのでいらしてくださいね♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦

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イベント

生徒さんの発表会

By 投稿日時: 2017年8月23日

7月の最後の1週間にカワイ楽器さん新宿地区の発表会が杉並公会堂で開かれました。
ピアノと歌の演奏が可愛らしい王子や姫のパフォーマンスで段取りよく進んでいきます。
静かな会場の中、ステージの中央のグランドピアノの前まで一人で歩いて観客席にきちんと挨拶をして演奏をしてお客様にお辞儀をして袖まで戻ってくるのは、かなりのプレッシャーでしょう。

実際、大人で場馴れしているはずの私も指先が鍵盤の上で震えるのをただ呆然と眺めながら弾いたりした過去の演奏会があります。

でも、こういう非日常の体験を積んでいって平常心の演奏技術を体得していくのでしょう。

この貴重な演奏の記憶を成功例に導かせるためにわたしも頑張ります♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦

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未分類

音楽とアインシュタイン的エネルギー論

By 投稿日時: 2017年7月21日

黄色い表紙でお馴染みの楽典を開いてみると序章の2に楽音の3要素  3に倍音の説明へと繋がっていきます。

このページには実は魔法がかかっていて(?!)その行間には、メガトン級のストーリーが隠されていたのです。

私も未だ勉強途中のため、分かる範囲で説明させていただきます。

生命体や自然界に存在している有機物や無機物、広い言葉で表すと宇宙に在るものは、全てリズムを刻みながら、揺らぎながら、存在していると考えられています。

このリズムが揺れる現象を振動とか波動や波長と呼んでいます。

楽典で述べられている通り数字に定める方法の主要な値にヘルツが使われます。
その揺らぎの示す曲線は周期と振り幅を描いています。

人体を含む自然界は、地球の進化の過程を振り返れば解るように、想像を超えるようなダイナミックな波を今も寄せ続けているのです。

ですから私たちも宇宙の中の小さな揺らぎの一端として躍動する役割を果たすように組み込まれて存在しているわけです。

壮大でドラマティックではありませんか

マーラーが聴きたくなりそうです。

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